どの分野でも、いつ弁護士に相談・依頼すればいいのかわからない、といった質問をいただきます。
今回は、離婚事件について、弁護士に相談・依頼すべきタイミングについて、私の見解を紹介します。
まず、相談のタイミングについては、早ければ早いほどよい、と考えます。
離婚事件において、何を重視するのか(離婚、財産分与、親権、慰謝料など)によって、準備すべき証拠、取るべき手段等が変わりますので、なるべく早期に専門家のアドバイスを受けておくことで、後日の離婚手続を有利に進められる可能性が高まります。
次に、依頼のタイミングについては、一考を要します。
といいますのも、弁護士に依頼すると、原則として、弁護士が相手方との連絡等の一切を行うということになりますので、当然に相手方は弁護士の存在に気付くことになります。そうすると、弁護士が介入したことで、腹を立てて態度を硬直化させる人もいますし、慌てて証拠隠しを始める人もいますので、却って解決が遠のく場合があるのです。
そこで、私としては、当事者間での話合いによる解決の余地がないか、話合いそのものが極めて困難であり、かつ、最低限の証拠収集を終えている段階が適切ではないかと考えます。ほとんどのケースでは、既に別居しており、これ以上に相手方から得られる情報がない状況となります。
但し、生活費を渡してもらえず困窮している、DVを受けている、子が連れ去られた、など緊急を要する場合もありますので、繰り返しになりますが、まずは早期に専門家に相談することを勧めます。